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― イラストレーター小関恵子の仕事帖 ―

大好きだったおばあちゃんち

子供の頃(小学1年生~中3くらいまで)、毎年夏休みになると2週間くらい九州のおばあちゃんちで過ごした。早朝、滋賀から車で大阪まで行き、大阪からフェリーに乗って九州へ。そこから車でおばあちゃんちへ(祖父母の家だけどなぜか「おばあちゃんち」って言っていた(笑))。

中1からは犬を飼いだしたので、犬も同伴のためフェリーはなくなり、車だけで九州まで。

パーキングで休み休みだったけど、父は車の運転大変だっただろうな。

(犬も一緒の車の後ろの席はとても楽しかったけど)

うちは両親とも九州なので、泊まるのは父の実家、母の実家の半分ずつ。

どちらも楽しかったのだけど、特に父の実家が大好きだった。

藁ぶき屋根の広い芝生の庭がある平屋の家。お風呂とトイレは外で(現在はトイレは家の中にもある)、家の両隣には2階建ての納屋(2階部分は部屋)があった。

家の中は、1部屋くらいありそうな広い玄関、そして玄関を上がるとガラス戸が2つあり、右側を開けると台所、左側を開けると茶の間になっていた。でもどっちから入っても、台所と茶の間はガラス戸でつながってる。

すごく好きだったのは、茶の間と台所の間仕切りの、両面に扉がある食器棚。

台所から食器棚を見ると茶の間の風景が見えるし、茶の間から食器棚を見ると台所の風景が見える。

食器棚の中には今思えば、レトロなグラスがたくさん並んでいて、その中にいつも食事の時に残った醤油が置いてあった。もったいないから???(笑)

茶の間の隣は2畳くらいの小部屋があって、そこには勉強机があって、壁には「ザ・スパイダース」のポスターが貼ってあり(大人になってから、あのポスターの人たちは誰だろうと調べた(笑))、古いカメラや古い学校の教科書などが置いてあった。

(後に古いカメラはおじいちゃんからもらった(^▽^)ポスターももらっておけばよかった)

小部屋のとなりは、少し薄暗い寝室で、古い箪笥が置いてあった。

そして茶の間の前(玄関の隣)は、二間続きの広い和室で、奥の部屋には大きな仏壇があった。

二間続きの和室には縁側があって、前は芝生の広い庭。

離れの2階建ての納屋の上の部屋にも「天地真理」や当時のアイドルのレコードやポスターが壁に貼ってあった。

父は3兄弟で、それぞれが集めたものなんだろうな。

おばあちゃんちに行くたびに、お部屋探検をしてワクワクした。

大人になって(多分、21歳くらい)、友達を連れて遊びに行った時は、古着や古いものが大好きだったので、ここは宝の山だ~!と思ったのを覚えている。

その時にレコードや古いカメラをもらった。

そんなのが欲しいのかって、おじいちゃんは笑っていたな。

最近になって、よく九州のおばあちゃんちを思い出すようになった。

不思議なくらい、おばあちゃんちの匂いを覚えている。

ふとした時に、あれ?これ、おばあちゃんちの匂いだ!懐かしいなぁ~って思う。

今は父親の弟夫婦が住んでいて、家はあるし、またいつか行ってみたいな。

そして最近、急に思いついたこと、おばあちゃんちが記憶に残っている間に、家を絵で再現する!

仕事で立体的な間取りのようなものは何度も描いたことがあるので、

そんな感じで描けると思う。(仕事が役に立った!)

昨日、両親と会うことがあり、ちょっと忘れた部分や細かいところを

教えてもらった。

これから時間があるときに、ちょこちょこ描いていこうと思う。

楽しみ楽しみ~♪